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Mid Night ヨコハマー午前四時 11

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それでも、親の世話の行き届いたお坊ちゃんであることぐらいは、見れば分かる――自分とは違う世界の住人――

――まさか、そんな一臣が自分に声を掛けてくるとは思わなかった。

しかも、ケツを捲って逃げ出した仲間に見捨てられた自分の手助けを申し出るなんて――

やっぱりバカじゃねぇのか――

裕貴はそう思って、再び笑みを漏らした。

横浜最大組織タイタンとの真っ向勝負を恐れて、裕貴の仲間は皆、逃げ出した。ほとんどの連中が、裕貴の情報を手土産にタイタンに寝返ったことは間違いない。

別に責めるつもりもなかった。

敵は総構成員数、二百人とも言われる横浜最大不良グループだ。よほどの大莫迦者でもない限り、そんな巨大組織と事を構えようとする者はいないだろう。

たったひとりになった裕貴に、助力を申し出たのは一臣だけだった。

ケンカもろくにしたことねぇ坊ちゃんじゃんか――

最初は戦力になどならない、と思った。むしろ、足手纏いだと――

しかし、一臣は裕貴の予想を超えた。

あのシュラバの後も逃げ出さなかったな――

タイタンのメンバーに追いかけられて誘導した無人の工事現場で、一臣は、裕貴が最後の一線を越えることこそ止めはしたが、それで裕貴に恐れをなして逃げ出すこともしなかった。

明日も来るのか、と問うた自分にはっきりと一臣は頷いた。

今まで、裕貴の周りにいた人間たちとは違う――

あのコンビニ前でたむろしていた連中も含めて、これまで裕貴の取り巻きは、友人と呼べるようなものではなかった。

裕貴の狂気の行動を目の当たりにした彼らは、一様に怯えて媚びへつらうか、その威光にあやかろうと、機嫌を取った。

浩輝と…あいつだけだな――

浩輝もまた、裕貴から逃げ出さなかった男のひとりだ。

まぁ、あいつはチャイナマフィアの大ボスの孫だからな、こっちがビビるっつーの――

裕貴はひとりで笑いを漏らした。

浩輝は、大ボスの長男の息子だ。家父長制の意識の強い中国人家族の中で、浩輝は、マフィアのボスの跡取りという立場にある。

浩輝は、明るく人懐っこい性格ではあるが、表も裏も取り仕切る祖父のやり方に幼い頃から接している。

華僑マフィアは甘くはない。

浩輝の家族は、異郷の地で互いに支え合い、暖かい愛情に溢れた家庭であったが、それでも浩輝は、そのボスの跡取りとして育てられてもいる。

俺なんかがなにかしでかしても、あいつがビビるわきゃぁねぇ――

チャイナマフィアの制裁は、あんな裕貴のお遊びの比ではない。大ボスである浩輝の祖父は、浩輝の言うとおり、普段は好々爺の町内会長という風情だが、裏の顔が恐ろしいことも裕貴は知っていた。

裕貴のしていることなど、子どものじゃれ合いくらいにしか思われていないだろう。

けれど、一臣は違う。

一臣は、ごく普通の、いや、それ以上の裕福な上流家庭のお坊ちゃんだ。

ケンカもろくにしたことのない、私立高校のエリート――

けれど、一臣は裕貴から逃げ出さなかった。

怯えた目つきで見ることも、媚びへつらうこともしない――

裕貴の狂気を目の当たりにしながらも、一臣は頷いた。

明日もまた来る、と――

裕貴の呼び出しに応じなければ制裁が待っていた、他の仲間たちとは違う。裕貴は、一臣を脅したことなどなかった。

来い、と命令したわけでもない。

それでも一臣は頷いたのだ。

明日も来る、と――

裕貴は、狭いアパートの部屋でゆっくりと立ち上がった。

陽はもう暮れていて、外はすっかり暗くなっていた。

なにも見えなくなった窓に、裕貴は近寄った。

黒い窓に、自分の顔が微かに反射している。

あいつは来る――根拠なんかない。

それでも、一臣は明日、きっとやって来る、と裕貴はわけもなく、そう思った。







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