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Killer Street

第三章『殺人衝動』7

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*********

舎弟たちが出て行くと、笈川は、ソファにふんぞり返っている橘に目を向けた。にやにやと笑いながら、こちらを見ている。

「たかだか三、四日、籠ってただけで若い連中を悩ませてたみたいだな」

笈川がそう言うと、橘はふんと鼻を鳴らした。

「四日も家に籠ってたら、頭おかしくなっちまうぜ」

「退屈しないように秋光も送ったろ?」

整体師、秋光あきみつ 健太郎けんたろうの名を聞いた途端、橘が鼻に皺を寄せた。

「ばかやろう。四日も監禁された挙句、エロ整体師にハメられたんじゃ、本当に気が狂っちまうよ」

笈川は、リビングのキャビネットから酒とグラスを取り出すと、そこに酒を注いだ。

「随分、楽しんだみたいだな?」

酒を満たしたふたつのグラスを片方、橘に手渡しながら、笈川はにやりと笑った。

「あいつはプロだからな」

橘はそう言って、笑い返した。

「組の方は?」

橘の問いに、酒を啜りながら笈川は肩を竦めた。

「特に報告するようなことはないな。例の開発地区のシノギで当分、遊んでられるぞ」

「けっ、橘組ウチはおまえと葛西がいりゃあ、俺は必要ねぇな」

「…そうでもない。経理業務が終わらないうちに、慧がこっちに詰めになっちまって、葛西が悲鳴をあげてる」

自分の不在が組に即座に影響を与えているわけではないと、不貞腐れている橘の子どもじみた態度を逆手にとって、笈川はわざとそう言って、悪戯っぽく笑った。

「俺は慧以下かよ」

橘は、あからさまにむっとした表情を見せた。

常日頃、人を喰ったような態度で、嘘とも本音ともつかない言動を繰り返しながら、こんなところだけは本音を見せる。

自分の不在が組の一大事ではないことに、橘が本気で腹を立てていることを笈川は知っていた。

こんな子どもっぽい思考は、昔とちっとも変わらない――

橘は昔から、ひとりで行動することを厭わない一匹狼のくせに、妙に人を恋しがるところがあった。

仲間などいらないと言いながら、孤独を嫌う――

「バカ。おまえが少々、留守にしたところで、揺らぐような中途半端な組織じゃないだろう。誰のために皆が命を張ってると思ってるんだ――おまえの代わりはいないんだ」

笈川は、スーツのジャケットをソファの背に放りながら言った。

橘は、横を向いたまま表情を変えずに、グラスの酒を啜った。

笈川は、ぐいとグラスを傾けて、残りの酒を飲み干すと、空のグラスを置いてから、橘に手を伸ばした。

笈川に手を引かれて、橘が面倒そうに立ち上がる。

頰に手を当てると、橘が下から見返してきた。

初めて会ったあの頃は、頭一つ分も身長の違った少年が、ほんの十センチばかり下から男の顔で見上げている。

「裕貴…」

名を呼ぶと、その腕が笈川の首に伸び、唇が合わせられた。

熱を持った唇と舌が絡まる。

その体を抱き締めて、シャツの下に手を這わせると、橘の体が僅かに硬直した。

「…ここでする気か? それとも抱き上げてベッドに連れて行って欲しいのか?」

離れた唇の間から笈川がそう言うと、橘が吹き出した。

「女かよ、気持ち悪ぃな」

体を離して、橘は自ら寝室のドアを開けた。

橘は、服を脱いで裸になると、ベッドに横たわった。

ベッドからの視線を感じたまま、笈川はネクタイを取って、シャツを脱いだ。

ベッドに仰向けになっている橘にのしかかろうとすると、笈川の体の下から、橘が器用に擦り抜けた。

笈川が、問うようにその顔を見ると、橘が悪戯っぽくにやりと笑った。

「横になれよ、一臣。たまには俺がしてやる」

そう言うと、橘は笈川に馬乗りになった。

上から笈川を見下ろす橘の額の上で、色の薄い前髪がさらさらと揺れている。

笈川は、仰向けのまま手を伸ばしてその髪に触れた。

金色になどしなくても、そのままで綺麗な色だ――と笈川は思った。

「…染めたりしなくても良かったな…」

「なんの話だよ…」

返事をする間もなく、橘の薄い唇が落ちてきた。

舌を絡め合いながら、浅黒い肌を抱き締めた。

滑らかな素肌に指を滑らせると、合わせた唇の間から熱い吐息が零れる。

「一臣…っ」

まだ唇を合わせただけだというのに、橘の唇から淫靡な溜息が落ちる。
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