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New Moon

Mid Night ヨコハマー夜明 11

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通りの向こうから、無数のバイクを従えて、金色の少年が走ってくる。

金色の頭の少年を乗せた、ショッキングピンクのバイクが、そっくりの裕貴のバイクの横で派手な音を立てて、止まった。

それを追いかけてきたバイクの群れは、自分たちのリーダーを見とめて、その後ろでバイクを止める。

「あっち〜っ」

バイクから降りた金髪の浩輝は、おもむろに髪を掴むと、それを引き摺り下ろした。

「かつら?」

一臣は、ぽかんとそれを見つめた。

「当ったり前じゃん。恥ずかしくって、こんな色にできないよ。じいちゃんに怒られちゃう」

浩輝は、かつらのせいで汗びっしょりになった自身の黒い髪を掻きむしった。飛び散った汗が、無数のヘッドライトに照らされてキラキラと光る。

「お疲れさん、浩輝」

「本当に、疲れたよぉ」

浩輝はすっかりへばってしまったかのように、舌を出して背中を丸めた。

「――引き摺り回してくれたのはオトリか」

渡瀬が不気味に薄笑いを浮かべて言った。

さすがに横浜最大組織のリーダーというだけはあって、頭の回転は悪くないようだ。

「――中国人のガキまで引き摺りだして、なんのマネだ、裕貴」

渡瀬は、浩輝のことまで知っているようだ。どうやら、浩輝も、こちらの世界では一臣が思った以上に、有名人らしい。

「なんのマネ?」

裕貴は、ふんと鼻先で嗤った。

「そっちこそ、たったひとりの中坊相手に、おおげさじゃね?」

「てめぇをただの中坊だと思っちゃいねぇよ」

渡瀬は、片目を眇めて不穏な表情を浮かべた。

「そりゃあ、ずいぶん評価高ぇな」

「おまえのシャベリにつきあう気はねぇ。こんなところ、 、 、 、 、 、に引っ張り出して、なに企んでやがる」

渡瀬の顔から笑顔が消えた。

こんなところ、 、 、 、 、 、――

そう言われて、一臣は周囲を見回した。

裕貴に言われるままに、バイクを走らせてきたが、確かにここはどこなのだ――?

一臣たちの後ろには雑居ビルがあった。そこの看板には『(有)山本興行』と書かれている。

山本興行――山本一家か――

一臣たちは、ヤクザの事務所の前にいたのだ。

「なにって戦争だろ? 大将にお出まし頂かねぇと、てめぇらザコだけじゃ、役不足なんだよ、渡瀬」

裕貴が、唸るように言った。

「なんだと…っ」

途端に、渡瀬だけでなく、後ろに控えていたタイタンが気色ばむ。

「うるせぇ、パシリ」

裕貴はにやりと嗤った。

「てめぇら、横浜最大だなんだっつったって、所詮、ウシロ、 、 、がいなけりゃ、なんにもできねぇ。ただのパシリじゃんかよ」

「このやろう…っ」

タイタンの集団のどこからともなく、唸り声があがる。

「俺はパシリの仲間になる気はねぇ」

「黙って聞いてりゃ、このガキ…っ」

「おい、こら。なんの騒ぎだ」

渡瀬が一歩踏み出したところで、一臣たちの背後から野太い男のダミ声がした。

「あ…、伊藤さん…」

その男を見とめて、渡瀬が姿勢を正す。

「なんだ、渡瀬じゃねぇか。ガキが騒いでんじゃねぇ、ここをどこだと思ってやがんだ」

伊藤、と呼ばれた男は、脅すような声を出した。

「なんだ、このガキどもは」

それから、自分の前に立っていた一臣たちを一瞥した。

「…ダニの巣」

裕貴がぼそりと言った。

「あん?」

聞き咎めた伊藤が、眉間に皺を寄せた。

「おいこら、今、なんつった?」

「ここをどこだと思ってんだって聞いたのは、てめぇだろ? ダニの巣だっつったんだよ、このダニ野郎」

裕貴は、そう言うと、ジーンズの腰に無造作に手を突っ込んで、そこに差してあった改造モデルガンを抜いた。

照準は、まっすぐ伊藤に向いている。

「おっと、見りゃ分かんだろうけど、これはモデルガン――けど、威力はあるぜ? この距離だと当たったら、骨くらいは折れるぜ――じっとしとけよ、ダニ野郎」


伊藤は、どこからどう見ても堅気の人間には見えなかった。ヤクザでございますと、全身で物語っている。その男に、裕貴はダニ野郎と罵声を浴びせた。
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