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New Moon

Mid Night ヨコハマー夜明 13

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十五分もしないうちに、辺りは警察と消防の車両で埋め尽くされた。赤や黄色の非常灯が目まぐるしく、周囲の色を変えている。

伊勢佐木署、刑事第二課――通称、マル暴担当刑事の矢部やべは、ようやく火が消えて、まだ燻っている建物を眺めながら、その傍で煙草に火を点けた。

駆けつけた当初は、火の勢いに驚いたが、実際は、建物の一階部分が焼けただけで、火事は沈静化した。

火事現場が、ヤクザの組事務所だったことから、第二課にも知らせが入り、ガサ入れのいい名目ができたと、飛んできたら、思わぬ拾いものがあった。

火事現場の山本一家の事務所から、大量の覚せい剤が見つかったのだ。刑事に、現物を押さえられては、海千山千のヤクザも言い訳の余地はない。

その場で、組長以下、幹部は違法薬物取締法違反の現行犯で、即、緊急逮捕となった。身柄はすでに伊勢佐木署に連行されているが、押収物の量が量だったので、矢部と数人の刑事が残って、まだ家探しの最中だった。

あの量じゃ、取引の直後だな――

矢部は鼻から煙を出しながら、考えた。

悪いことはできないものだ。

麻薬取引の直後に、小火騒ぎとはね――

そう思いながら、矢部は、くたびれた背広のポケットから携帯灰皿を取り出して、その中に丁寧に吸い殻を入れた。

昔とは違い、昨今は市民の目も厳しい。公務員が煙草のポイ捨てをしているところなど、見咎められれば、翌日、警察署に大量の苦情電話が入ることは間違いなしだ。

注意深く携帯灰皿をポケットにしまった矢部は、ふと視線を感じて、周囲を遠巻きにしている野次馬の群れに目を向けた。

その中から、こちらを見ている金髪の少年と目が合った。

あきらかに未成年の少年は、こんな深夜にうろついているところを刑事に見られても、動揺した様子はなく、落ち着いた表情でこちらを見ていた。

妙に気にかかって、声を掛けようと矢部が一歩踏み出したところで、少年は、ふと笑みを浮かべて人混みに消えた。

なんだ、あのガキ――

近所のガキか、深夜に遊び歩いている悪ガキか――

見た目はほんの子どものようだったのに、妙に落ち着いた素振りが気になった。

小火騒ぎを聞きつけて見に来たのであれば、もっと物見高い様子でもいいのに、少年は薄く笑みを浮かべたまま、こちらを見ていた。

「――やっぱり来てましたね、矢部さん」

金色の髪の少年に気を取られていた矢部は、突然、スーツ姿の刑事に声を掛けられて、飛び上がりそうになった。

内心の驚きを隠して、矢部は刑事の方に顔を向けた。

「そっちもご苦労だな」

声を掛けてきたのは、顔見知りの少年係の刑事だった。

素行不良の少年たちの中には、今回の騒ぎの首謀者ある横浜タイタンのように、暴力団組織に出入りをして、準構成員のような扱いを受けている者もいる。

そのまま順調に、正式に盃を受けることも稀ではないから、第二課と少年係は自然と顔見知りになる。

今回のヤクザの事務所の小火騒ぎの現場にも、素行不良の少年たちが大挙して集合していた。近隣の話では、小火の前から事務所の前で、すでに少年同士の喧嘩騒ぎがあったというから、おそらく火事と無関係ではないだろうと、少年係も呼ばれていたのだ。

「まぁ、これでこっちの頭痛のタネが引っ括れたんで、白星ですよ」

少年係の刑事はそう言って、肩を竦めた。

喧嘩騒ぎの元の、横浜タイタンは、横浜最大と言われる不良少年グループで、実質、山本一家の舎弟グループでもあったから、マル暴の矢部も良く知っている。

ほとんど準構成員のようなタチの悪い少年の集まりだったから、少年係としては、この際、全員、少年刑務所にぶち込んでしまえれば一石二鳥と思っていることだろうと、矢部は想像していた。

「二課もお手柄でしたねぇ」

刑事はにやりと笑った。
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