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Killer Street

第八章『消せない疵痕』12

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慧は、その身体に自分を埋め込んだ――いっそこの身体の内部なかに溶けてしまいたい――

「――ああ…っ」

耳許に熱い溜息がかかる。

慧は、少し体を起こして、自分が抱き締めている男を見下ろした。

「――…世の中、もっと痛いことがある――…。刺青が痛かったかって聞いたとき…、おまえ…そう言ったよな…」

「…っ、…てめぇはいつまでも…、つまんねぇことを覚えてやがるな…っ」

橘は煩わしそうに、眉を顰めた。

「…何日もかかるなんて…、俺、知らんかった…」

肩から覗く龍の鱗を撫でながら、慧はゆっくり腰を揺すった。

「…ん…っ、…これ…だけデカ…いと…いっぺんにはムリなんだよ…っ」

貫かれた下腹部から湧き上がる快感を逸らすように、橘は顔を背けた。

「――彫ったあとは…熱が…っ」

「熱…」

「――…っ…、刺青…は…キズ…だからな…っ」

虚ろな目を空にさ迷わせながら、橘は荒い息の下で言った。

確かに――そうだ。

刺青は、針で体に傷をつけて、そこに墨を流して絵を彫り込む――それは意図的に体に怪我を負わせていることと同じことなのだ。

これは――橘の体に刻まれた――消えない疵――

「…俺も…――」

そう呟いて、慧は繋げた腰の奥を突いた。

「…な…に…? …あぅ…っ」

足を押し広げられ、慧の男にさらに深みを探られた橘の問いかけが、抑え切れない喘ぎに遮られる。

「あ…っ、け…っ…い…っ」

徐々に早まる慧の動きに翻弄されるように、橘が振り乱した髪の先から汗の雫が散った。

消えない疵――だ――

俺の心臓にも――消えない疵が刻まれている――

他人の血と肉を糧に生きる極道の男――

他人の流した血の涙に舌なめずりをしてみせる街の獣――

実の妹でさえ掛かったその牙を――

慧は、それを嫌悪しながら、その毒牙に溺れた。

その毒に犯されたい、と――自らを捧げた――

そして身体中に回った毒に、慧は酔わされている。

消えない――疵だ――

俺の心臓に――この身体に――橘に刻まれた疵――

――昔の情人ってのはよ、よくこういう刺青を刺れたりしたもんだ…

――橘 裕貴命――
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