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Killer Street

第八章『消せない疵痕』11

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舌先が胸の突起を捉えた瞬間、その身体が震え、すがるように慧の頭を橘が抱え込んだ。

その体を強く抱き締めて、慧はそのままソファに横たえた。

――昔の情人ってのはよ、よくこういう刺青を刺れたりしたもんだ

葛西の言葉をふと思い出した。

橘 裕貴命――

橘の背中に描かれた刺青が、無性に見たくなって、慧はその身体を返した。

そして、刺青を隠すシャツを剥ぎ取る――鮮やかな弁財天がこちらに微笑んでいた。

「――…これ…、どのくらいかかった…?」

慧の唐突な問いに、橘が振り返った。

「――…な…に…?」

「――…この…刺青…」

橘の背中をそっと撫でた――掌の下で体がびくりと震える。

「…これだけ大きいと…何時間もかかんねやろ?」

「…あ…、そ…んな…、何時間なんかで…終わるかよ…っ」

苦しげな声が答えた。

「…何…だよ…っ」

確かに橘の刺青は、背中をほぼ一面覆っている。首のすぐ下から上腕まで伸びたそれは、腰の付け根まで続いている。

慧は、その最下部を隠すジーンズの際の肌に舌を這わせた。

「…ああ…っ」

腰を少し浮かした姿勢で、橘は喘いだ。

すべて――見たい――

慧は、後ろから前に手を回して、橘のジーンズのジッパーを下げた――そのまま、それを下着ごと取り去る。

弁財天の乗った龍の下顎が現れた。開かれたその口の間から鋭い牙が覗いている――その上に指を滑らせる。

「…んん…っ」

腰が震え、両足が悶えるように開く――意識しているのか、していないのか――誘うような淫らな仕種――

左右に開かれた足の間にそっと手を伸ばした。その最奥の熱い場所を探る。

「……は…ぁ…っ」

もっと奥をねだるように腰が浮いて、さらに足が開かれた。

慧はそこに唇を寄せた。

「――…っ」

慌てて閉じかけた足を押しとどめ、慧はそれを開いた。

「…バ…カ…っ…、なに…して…っ」

予測していなかった場所への慧の口づけから逃げようというのか、橘は身を捩った。

その抵抗を無視して、慧はその奥へ舌先を這わせていく。

「…ああ…っ、や…め…っ」

橘が、溜息を零した。

やめろなんて――

橘のためなら、どんなことでもできると思うけれども、それだけは聞けない――

だって――誘惑したのは橘なのに――

誘惑――なんて生易しいものではない。

これは侵略だ――

抵抗なんてできない――

完全降伏の――侵略行為――

あんな瞳で見つめられて、抵抗なんてできない――

慧は体も、心も、この非情の極道者に明け渡している。

心まで支配されて、もうなにも考えることなどできない――

この身体のどこまでも、自分のものにしたい――

すべてを知りたい――

そう思わせたのは、橘だ――

橘の奥に舌を這わせて、快感に震える身体を抱き締めた。

もうその身体は慧の行為に抗ってなどいなかった。

むしろそれを望むように、腰を揺らしている。

慧は、そこからゆっくり身を起こして、組み敷いた身体を返した。

上から見下ろすと、ギラついた瞳と目が合った。

唾液で濡れた唇が微かに開かれ、荒い吐息が溢れている。

酷薄そうな薄い唇――

その唇に、指先でそっと触れてみる。

唇の間から、紅い舌がちろりと覗いて、慧の指を舐めた。そのまま舌に絡め取られて、指先が唇に飲み込まれる。

小さく濡れた音を立てて、橘が慧の指をしゃぶっている――瞳は逸らさない――

「――た…ちばな…――っ」

その瞳に引き込まれそうだ。

――おまえはホンモノのワルに興奮する性質なんだ…

橘の言うとおりだ。

慧は、橘の圧倒的な毒に飲み込まれているのだ。

悪意という名の毒――

冷酷で、非道で――だからこそ、その嗜虐的な瞳に囚われている――

この身を懸けて助ける価値があるのか、など無意味な問いだった。

答えは最初からそこにある――

結佳の仇であることなど、慧を悩ませてはいなかった。

地獄に引き摺り込む悪魔だからこそ――慧はこの男に惹かれていたのだ――
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