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Tattoo Maniac

第一章『悪魔の恋』9

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背中が弱いのは昔からだ。初めて抱かれるまで、知らなかった。

不意に後ろから中島の含み笑いの声がした。

「そんなに慌てなくても、すぐに抱いてやるよ」

そう言って、中島は腰が浮きかけた橘の足の間を撫でた。知らぬ間に快感に腰を浮かしていたようだ。

「ああ…っ」

「こうやって男を誘う方法を、誰から教わったんだ?」

中島は腰の辺りに舌を這わせながら、からかうように言った。

橘は背後を睨みつけた。

「あんたは男の抱き方を誰かに教わったのかよ?」

中島が吹き出した。

「つまんねぇペラ*10はここまでだな」

腰に手が差し込まれ、下半身を持ちあげられた。膝を立て、腰を高く突き出すような姿勢を取らされる。

中島の指先が橘の後ろを探り、そこに熱い男が押し充てられた。

体の奥を押し開かれる快感に体が震える。

「ああ…ん…っ」

まだ敏感な部分に男が到達しない、この体が裂かれる感覚が橘は好きだった。

理性を押し流す快楽の前の、一瞬の苦痛の儀式――

それですべての罪が消えるなどとは思ってはいないが、なんとなく帳尻が合ってくる気がする――自分が犯した罪と流した血の分だけ切り裂かれる体――

それでもすぐに、体は悦楽の渦に叩き込まれる。男が内壁を擦りあげるたびに、そこからうねりのような快感が全身を駆け巡る。

これじゃあジギリ*11にもならねぇな――

自分のツケが溜まっていく一方だ、と橘は快楽に麻痺しかけた頭の隅で思った。

「あ…あ…、いい…っ、そこ…っ」

貪欲な自身の体はもう抑えも効かず、自ら男に腰を突き出して犯されることを望んでいる。

相手が誰であろうと同じだ。

抱かれている時はもうそいつが誰かなんて、ほとんど忘れかけている。

自分に肉の楔を打ち込む誰か――

自分を快楽の海に突き落としてくれる誰か――

それでも慧のように、橘の体を掻き抱きながら魂までぶつけてくるような男もいる。

あいつに抱かれている時だけは、体中を喰い荒らされているような気さえする――

体だけでなくその魂まで――

腰を掴まれ、体の奥に叩きつけるように中島の男に突きあげられながら、橘はホテルのベッドの上にその精を撒き散らした。

ライターが点けられる音が橘を一瞬の眠りから引き戻した。

橘の中に快楽を吐き出した中島が、ベッドのヘッドボードに凭れながら煙草をふかしていた。

橘は小さく息を吐いて、自分も身を起こした。

ベッドサイドに放り出してあった煙草を取って、火を点ける。

隣からふっと小さな笑い声が漏れる音がした。

その声に振り向くと、中島がにやりと笑った。

「あんたは恥じらいとかはねぇんだな」

「恥じらい?」

今度は橘が吹き出した。

「そんなもんあるかよ」

橘も同じようにヘッドボードに背中を預けた。

「あんたは男を抱くのにいちいち恥じらうんですか?」

そうは見えなかったぜ、と言ってやると中島が苦笑した。

中島は、「あんたは」と言った。

こいつ、一体、俺を誰と比べてやがるんだ――?

中島に抱かれて羞恥を見せる誰か――そういう奴がいなければ出るセリフじゃないだろう。

しかし、橘はそれを突いたりはしなかった。そんなのは野暮だ。今この時、ふたりで抱き合った時間に他の誰かの話をするなんてのは、粋じゃない。

今はふたり――それでいいのだ。

中島が体を起こして、灰皿で煙草を消した。

「不動明王か――」

こちらを向いた背中に厳つい表情の不動明王が仁王立ちをしていた。

艶気いろけないですねぇ」

そう言うと、中島は笑って弁天の乗った龍の尾が捲きついた橘の肩口に、くちづけを落とした。

「弁天様の艶気にゃ敵わねぇな――あんたにはぴったりだよ、橘さん」



*10…おしゃべり。
*11…プラスマイナスゼロ。とんとん収支。
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