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Tattoo Maniac

第三章『真夏の夜の夢』14

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「人が来るぞ」

首に絡んだ腕を解こうと掴むと、笈川の手を振りほどいて橘が正面から覗き込んだ。

「来たらなんなんだよ?」

「裕貴…――」

「誰に見られたって関係ねぇだろ」

橘の手が笈川のシャツのボタンに伸びた。それがひとつひとつ外される。

「――十五年…いや、十六年か…。俺の人生の半分以上、俺の横にいたのはおまえだ。他の誰でもねぇ…。どこにも行かなかったのは…おまえだけだよ…――」

唇が落ちて来て、笈川のそれを捉えた。

のしかかる橘の体を、笈川は抱き締めた。

絡めていた舌先を残しつつ、橘が唇を離した。

「――ホント…、おまえって絶対、俺を突き放さねぇよな…」

突き放せる筈がない――

橘のシャツのボタンを外して、その下に手を滑らせると小さな溜息が落ちて来た。

「一臣…――俺を…抱け…っ」

あの日――古いアパートの灼けた畳の上で言った同じ言葉――

内藤 啓介に抱かれた体を、橘は笈川に委ねた――

そこになにを思っていたのか――

――ガキの必死にこっちがつけこんで、もてあそんじまっていいのか…

卑怯なのは――俺の方か――

欲しいものを欲しいと言わないのは、我慢強いからでも自制心があるからでもない。それはただ逃げているだけだ。

欲しいと言ってしまったら――その手を振り払われるかもしれない恐怖――

橘が最後の最後まで、内藤 啓介に捨てないでくれと言えなかった気持ちが笈川には良く分かる。

その場限りの欲求はいくらでも口にできる。いくらでも力尽くで奪い取れる。

けれど本当に欲しいものは――口に出せない――手を伸ばせない――

俺と裕貴は似ている――

どちらも同じくらい卑怯者だ――

暴力と恐怖で本音を隠して、本当に欲しいものを欲しいとも言えない――

橘のシャツを脱がして、汗ばんだ背中に腕を回した。

勃ちあがった胸元を舌先で舐めると、橘が体を震わせて溜息をこぼした。

「逃げるなよ…一臣」

そう言って橘は立ち上がって、下着ごとスーツのズボンを脱ぎ捨てた。

「逃げるわけないだろ」

笈川はふっと笑いながら、橘の足元に落とされた服を拾って長椅子に掛けた。

逃げたりしない――

たとえ自分の本心から目を逸らし、逃げ続けても、橘から逃げたりすることだけはけっしてない。

橘は、今この場で逃げるな、というつもりで言ったのかもしれないが、笈川には、まるでその人生から逃げるなと言われたような気になった。

笈川を見て、橘が舌打ちをした。

「てめぇも脱げよ」

笈川はにやりと笑うと、ズボンのベルトを外し、勃ちあがった自身を引き出した。

「これでいいだろ?」

橘はむっとした顔のまま、睨みつけた。

「すかしやがって…」

「どうせこんな場所じゃ、おまえが上に乗るしかないだろうが」

そう言って笑うと、橘は不貞腐れた顔で再び笈川の膝の上に跨った。

そこで橘はにやりと笑った。

「すぐに挿れちまうんじゃ面白くねぇよな」

その意図を問うつもりで眉をあげると、唇をぺろりと舐めた橘が、自身のそれを笈川の口元に寄せた。

「舐めろよ」

「構わないが…落ちるなよ」

笈川は橘の両足を抱えて、その雄に唇を近づけようとして笈川は途中で思いとどまった。

「一回、座れ」

「なんだよ」

「いいから」

無理矢理、膝の上に座らせると、橘は不満そうな顔でこちらを見た。その顔の前に笈川は手を掲げた。

「先におまえが舐めろ」

橘は笈川の指先を見つめていたが、すぐに舌先を出して舐め始めた。

笈川の長い指の先端から根元まで、橘の舌が滑る。そのうち橘はそれを口に入れて、出し入れするようにして舐めた。

指を舐めろと言われた意図がわかっているようだ。橘は笈川の瞳を見つめたまま、挑発するような表情で舌を這わせている。

指を伝って唾液がぽたりと落ちた。
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Re: こんにちは~

日本、ホントに暑そうですねっ(・・;)
実は私は海外在住なので。。。(^◇^;)
どうぞお体お大事にしてくださいね〜

そうですねw
実は慧くんだけがひとり蚊帳の外w w w
橘さんも笈川さんも人の気持ちには敏感ですが、慧くんは愛すべき鈍感くんなのですw

そんなにいろんな人と致したいものなのかw w w
ホントですよねw
イメージとしては、「食べたことのない食べ物の味見をしてみたい…」という感覚に近いのでしょう、きっとw w w
意外と橘さんは限定品とかに弱いタイプかもしれませんねw
ちゃぶ台返しに笑ってしまいました(≧∇≦)

そうですね…
実はこの「無償の愛」がこのストーリーのメインテーマのひとつでもあります。
「愛し返されたい」と思うのは欲が深い思いなのか…
見返りを求めなければそれは無償と言えるのか、愛と言えるのか…
どこまでが自己愛でどこまでが与える愛なのか…
私も答えが出ないまま、3人と探しているような気持ちで書いてます。

ただやっぱりおっしゃるとおり、浮気男の魅力ってのはたしかにありますねw

そうなんですよ!
橘さん、結構、まぁまぁ言っちゃってるんですよねw
「慧は俺のものだ〜」
「俺は慧の男だ〜」
ってw w w
なぜか全然、ピンときてない慧くんw w w

橘さんと笈川さんの複雑な関係が、なかなか簡単に慧とハッピーエンドになれない理由ですw
ここまで来たふたりはもう一緒にいても、別れても、どちらもすっきりハッピーエンドとはいかないような。。。

そうなんですw
皆さん、橘さんの悪行にイライラしていらっしゃいましてw
「橘さんを反省させて!」というコメントがとても多いですw

慧くんは意外と天然タラシなのでw
気づかぬうちに浮気のような行動はよくしてるんですよねw
橘さんも実は悩んでたりしてw w w

いつもありがとうございます(≧∇≦)
更新がんばりますので、また見にいらしてください♪
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